東京地方裁判所 昭和46年(借チ)2022号・昭46年(借チ)2012号 決定
〔主文〕1 申立人に対し、別紙目録(一)記載の建物及び同目録(二)記載の土地賃借権を相手方に譲渡することを命じ、その対価を一二八六万円と定める。
2 申立人は、相手方から前項の対価の支払を受けるのと引き換えに、相手方に対し、前項の建物につき所有権移転登記手続をし、かつ、同建物の明渡をせよ。
3 相手方は、前項の建物所有権移転登記手続及び建物明渡の履行と引き換えに、申立人に対し、第一項の対価の支払をせよ。
〔理由〕(申立の要旨)
1 申立人は、相手方から昭和二四年七月三一日別紙目録(二)2記載の土地(以下本件土地という)を非堅固建物所有の目的、期間昭和四四年七月三一日までの約で賃借した。
2 右借地契約は昭和四四年八月一日期間二〇年の約で合意の上更新され、賃料は同日以降一ケ月三七三五円である。
3 申立人は、本件土地上に所有する別紙目録(一)記載の建物(以下本件建物という)及び本件土地賃借権を東京都大田区田園調布五丁目五四番三号奈良本長雄に譲渡したいが、相手方の承諾が得られないので、賃貸人の承諾に代わる許可の裁判を求める。
(決定理由)
1 本件の資料によると、申立の要件として掲げた前記1、2の事実のほか、申立人は、本件土地上に本件建物を所有し、これを自己使用中であること及び申立人が昭和四四年一二月二〇日更新料九三万円を相手方に支払つたことが認められる。
2 右のように、申立人は本件土地の賃借人であり同地上に本件建物を所有しているのであるから、甲事件の申立は適法である。よつて、乙事件の申立に基づき、申立人に対し、本件建物及び本件土地賃借権を相手方に譲渡することを命ずる。
鑑定委員会は、申立人が昭和四四年一二月二〇日更新料九三万円の支払をしたことを考慮して、相手方が譲り受ける場合の借地権価格を一二〇〇万円、申立人が本件借地権を第三者に譲渡する場合の名義書替料を右借地権価格の八%と評価し、本件建物及び本件借地権の相手方に対する譲渡対価は、右借地権価格と本件建物の価格(一八二万円と評価)との合算額から右名義書替料を控除すべきであるとし、一三〇〇万円を相当とする意見を提出した。各評価及び対価算定の考え方については右意見に従うが、右の方法によつて計算すると譲渡対価は一二八六万円になるので、これをそのまま対価と定める。
本件建物には抵当権等の負担がなく、申立人において使用中であるので、対価の支払と建物所有権移転登記義務及び建物明渡義務とを同時履行の関係とするのを相当とする。 (小山俊彦)
目録
(一) 建物
東京都大田区田園調布四丁目七番地八
家屋番号 二三二番三
木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建居宅
床面積 一階 49.85平方米
(一五坪八勺)
二階 21.09平方米
(六坪三合八勺)
現況床面積
一階 85.48平方米
(二五坪八合六勺)
二階 39.93平方米
(一二坪八勺)
(二) 土地賃借権
1 当事者
賃貸人 相手方
賃借人 申立人
2 借地権の目的たる土地
東京都大田区田園調布四丁目七番八
宅地 204.95平方米(六二坪
3 使用目的
非堅固建物所有
4 存続期間
昭和六四年七月三一日まで
5 賃料
昭和四四年八月一日以降一ヶ月三七三五円